【おすすめ絵本】ー1945年のクリスマスーながさきアンジェラスのかね【戦争と原爆】

読み聞かせ

戦争を知らない世代のわたしが、戦争を知らないこどもにどうやって戦争の悲惨さを伝えればよいのか。ずっと考えています。「戦争はこんなに非道くて痛くて怖いんだよ」と、ただ恐怖心だけを植え付けるのではなくて、成長とともに戦争や紛争の歴史を深く知り、「戦争とは一体何なのか」を学び、「戦争を起こさないためにわたしたちにできる事は何なのか」を考え、いつでも話し合える環境を家庭で用意することが大切だと感じています。

ただ、戦争という言葉すら知らない幼児に対して一体何から伝え始めたら良いのか。そのきっかけとして、わが家では絵本を用いるようにしています。何冊か読んできたうち今日は新しめの絵本を1冊ご紹介したいと思います。

1945年のクリスマス ながさきアンジェラスのかね


1945年のクリスマス 長崎アンジェラスのかね

中井なかい 俊已としみ
おむら まりこ 絵

発行日: 2017年09月01日


1945年8月9日。原爆の投下で焼け野原となった長崎の町。爆心地近くの浦上天主堂うらかみてんしゅどうも原爆によって建物のほとんどが崩れ、焼失し、たくさんの犠牲者が出ました。教会のすべてが失われたと思われていましたが、教会にあった鐘2つのうち1つが奇跡的に瓦礫の中から見つかりました。鐘はその年のクリスマスイブにふたたび鳴らされ、傷ついた人々の心を勇気づけてくれた、というお話です。『長崎の鐘』著:永井隆がもとになっています。

長崎の鐘 (アルバ文庫) [ 永井隆(医学) ]
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絵本はとても柔らかなタッチと優しい言葉で描かれていて、3歳の主人公「かやの」の元気で愛らしい仕草、鮮やかな赤レンガ造りの浦上天主堂、そこで暮らす家族や人々の日常がページいっぱいに描かれています。そして、原爆の悲惨さ、戦争の悲しさも。

絵本ナビで試し読みすることが出来ます。わが家はいつでも何度でも読みたかったので購入させていただきました。


著者について

著者は、作家で教育評論家の中井俊已なかいとしみ先生。中井先生はカトリックの信者でいらっしゃって、ローマ教皇のヨハネ・パウロ2世によって洗礼を授けられたという奇特な方です。

じつは以前中井先生のお話を直接伺う機会があったのですが、日々うまくいかない子育てに思い悩むことが多かったわたしにとって、先生のお話にはとても勇気づけられ「よし、明日からも頑張ろう!」と元気をもらえたのを覚えています。中井先生は長年小・中学校の教育現場にいらっしゃった教育のプロです。少しだけ、中井先生のお話をシェアしたいと思います。

中井俊已先生のお話をざっくり

親は自分の子どもに社会で自立して幸せな人生を歩んでほしいと願うもの。親は自分の子どもの幸せを願うもの。子どもの幸せは親自身の幸せでもあり、子育てを通して親も子も一緒に成長することが幸せにつながっていく。では、幸せになるためにはどうすればよいのか、それは、日々前向きな心肯定的な心感謝の心を持つこと。

とてもポジティブな考えですね。「美辞麗句」と感じられる方もいらっしゃるかもしれません。とんがってとんがってとんがりコーンな性格のわたしも最初はそう感じました。人間ですもの、いつでもポジティブにいられるわけが有りません。そもそもポジティブな考えになるためには、自力で心がけてポジティブに考える癖を付ける訓練が必要で、一朝一夕にはいかないしんどくて辛いものです。自分の感情を甘えさせる方が楽で気持ち良いんですよね。でも、実はそんな自分がちょっとどこかで嫌だったりもします。

教諭時代の生徒たちとの面白いエピソードを交えながら、子どもとの向き合い方や子育てについて色々とお話してくださる中井先生のお話を聞いていると、ちょっとだけでも良いから時々は先生の言葉を思い出してみたり、少しだけでも良いから心がけてみたり、それならわたしでもできそうかも…。不思議とそんな気持ちにしてくれたのです。

じゃあ、どうやったら3つの心をもつことができるの?

中井先生のティップス(ちょっとした方法・ヒント)はたくさんあるのですが、わたしのおすすめは

言葉を変えること

具体的にどういうことかと言うと、暗くなってしまうようなネガティブな言葉「でも」「だって」「どうせ」「だめだ」などを使うのはやめて、元気が出る言葉を口ぐせに変えていこう、ということです。

人間は言葉によって動かされる生き物です。こどもが親に言われて行動に移すように、わたしが家族から頼まれて動くように、言葉によって動きます。じゃあ自分を一番動かすのは誰の言葉でしょう?それは自分の言葉です。

日々、自分は自分の言葉によって動いています。だから、自分にかける言葉を変えると自分の心や行いが変わってくる。そこで、ネガティブな言葉を自分にかけるのをやめ、ポジティブな言葉をかけてあげようというのです。

自分を振り返ってみると、わたしは、家族や友人、職場の人や知人などに対してはほとんどポジティブな言葉を使います。「だいじょうぶ」「うれしい」「しあわせ」「ありがたい」「よかった」など。でも、自分の心の中では実はそうでもなくて、ネガティブな言葉にあふれていることが多いです。言い訳が多かったり、自分や自分以外を責めたり、怒ったり…。

そうやってネガティブな言葉をかけたりするのって、他人相手にはしないのに、自分に対してやってしまっているのってどうなんだろう…。なんだか自分で自分をいじめてるみたいでかわいそうになってきたんです…。本当にひどいよね自分、って。なので、自分の中のネガティブな言葉を少しでも減らしてポジティブなワードに変えていくことって、結果的に自分を大切にすることにつながるんじゃないかなって思ったんです。

なので、最近わたしはよく、自分をポジティブな言葉で応援してあげています。仕事や子どものことなどで色々なことが重なってしんどくて辛いとき、感情のまま自分の心の中で「さいあく…。ほんま嫌すぎる…。」などネガティブな言葉を発するのではなく、ちょっと一呼吸おいてもう一度考え直して、「今しんどいな…でもずっと頑張ってるからわたしは普通に偉いよね。ここで踏ん張ればあと少し出来る気がする。」って。うまく行かないときもあるけれど、自分で自分を応援して元気づけて、前よりも少しだけ気持ちが楽になることがあります。

長くなりましたが、中井先生の著書には応援して元気づけてくれる、勇気を与えてくれる、愛にあふれた言葉が綴られています。ぜひ、絵本とあわせて読んでいただきたいと思います。

中井俊已先生の著書ご紹介(一部)

  • 元気がでる魔法の口ぐせ (PHP文庫)
  • ラッキー! いつもいいことが起こる人のちょっとした習慣(PHP研究所)
  • 感謝の習慣が、いい人生をつくる(PHP研究所)

最後まで読んでいただきありがとうございます。