生後2週間ごろからはじめ、娘たちの言葉の発達の基礎となった絵本の読み聞かせについて書きたいと思います。
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読み聞かせがラクチンだった
出産後、産院から家に戻るやいなや、赤ちゃんと24時間べったりの生活が始まりました。
しかし、産後の体はとにかくボロボロ。赤ちゃんを抱きあげる気力も体力も無く、オムツ替えもミルクも這いつくばりながらやっとのことでこなしていました。同じような経験をされている方って多いのではないでしょうか。
とにかく今は体を休めるのがいちばん ――と、頭ではわかっているんです。でも、日々成長しつづける赤ちゃん。その成長スピードの速いのなんのって…。それに比べてわたしの体の回復は遅く、いつまで経っても全然思うように動けませんでした。
そんな自分にイライラし「こんなんじゃダメだ…。赤ちゃんのために少しでも早くなにかを始めないと時間がムダになってしまう…」と、なにか焦りのようなものを感じていました。
赤ちゃんのためになる知育で、自分がしんどくない「なにか」。
そこでわたしが始めたのが、寝っ転がったまま出来る『絵本の読み聞かせ』でした。絵本の読み聞かせがこどもに与える学習面と情操面の効果については当時から広く知られていました。
わたしは体を起こすのがしんどい&相手はまだ『ねんね期』。ゴロゴロと寝っ転がって体を休めながら赤ちゃんの知育も出来ちゃうなんて一石二鳥やん。そう思い、赤ちゃんが起きている時はひたすら絵本の読み聞かせをすることに決めたのです。
赤ちゃんをベビー布団に寝かせてわたしはその隣に横になり、赤ちゃんが眠くなるまでただひたすら絵本を読み続けていました。
まあ、そう簡単に上手くいくわけはないんですが…。と言うか、最初は上手くいく時なんてほぼ皆無で、ずっーっと泣かれていることのほうが多かったです。結構わたしも一緒に泣いていましたね… 長女の時も、次女の時も。娘たちが新生児のころは、精神的には一番辛かった時でした。
話がそれましたが、そんなこんなで、それでも絵本の読み聞かせは出来るだけ続けていました。そのうち娘たちも、だんだんと絵本を見つめるようになってきました。
だんだんと見えてきた読み聞かせの効果
長女が赤ちゃんだった時は、精神的にあまり余裕がなく気付けなかったのですが、次女が生後5か月のころこんなことがありました。
今まで絵本のページとわたしの目をじっと見つめていることが多かった次女の視線が、私の口元に注がれていることに気が付いたのです。それまでは、読み聞かせの効果ってあるのかな?こんな続け方で大丈夫なのかな?と半分疑いながら続けてきたのですが、次女の視線の変化に気づいた時
『この子は話を聞いているんだ…。赤ちゃんは言葉に興味を持っているんだ。』
と、感動したのを覚えています。
それからも読み聞かせの時間は出来るだけ確保するようにし、時には文字や絵を指さし「ほら!ひらがなの【あ】を見つけたよ!あっ!こっちにも【あ】があるね~!」とか「ひよこがいるね。黄色いね!黄色いひよこだよ。ひよこは黄色い。」など、声に抑揚をつけて読んだり工夫しながらコツコツやっているうちに、次女は色々な言葉や表現を覚え、生後8か月の時には『それ、ちょうだい。』と言うと、手に握っているおもちゃをわたしの手のひらに乗せてくれるまでになりました。ちゃんと『聞いて理解する力』が育っていたのです。
絵本の読み聞かせは、子どもが自ら言葉を発し意思疎通ができるようになるまではとても地味で一見意味のなさそうな働きかけです。
でも、子どもの中では日々何かが変わっているんですね。
読み聞かせは早いうちから始めてほしい
絵本の読み聞かせは意外と時間がかかるし、そんな時間なんて作れないという方もたくさんいると思います。わたしも今は仕事があり、なかなか読み聞かせの時間が取れていません。
それでも、娘たちが生まれてからわたしが社会復帰する前までしつこく一方的に読み聞かせを続けたからか、娘たちは絵本や本を読むことが普通のことなんだと思い込んでくれています。
読む側のわたしも、聞く側の娘たちも、無理やり習慣づいてしまったのです。
もし、娘たちが幼稚園に行くぐらいの歳になってから急に読み聞かせを始めても、娘たちはきっと『何事??』といぶかしんで、おとなしく聞いてくれなかったでしょう。
まだ何にもわかってない、しかも思うように動けない新生児のころから少しでも読み聞かせをして刷り込んでおくと、後々とっても楽になる気がします。
絵本の読み聞かせで実感した効果
生後2週間から読み聞かせを続けて感じた一番大きな効果、それはズバリ
言葉の発達が早かった
これに尽きます。
喋りだすのが早かったというわけではありません。発語の早い遅いはその子の性格にも左右されますし、次女は話し始めるのは早い方ではありませんでした。しかし、いったん発語しだすと「あれ?なんか言葉たくさん知ってるんじゃない?」と思うことがたたありました。
2歳半~3歳半ごろに言葉の発達が早いと思った具体的な内容は
- 語彙が多く、ハトの群れ、高熱、徒歩などの難しい言葉をつかう
- もちろん、たぶん、きっと、などの副詞を使う
- だから、それから、けれども、などの接続語をつかう
生後2週間からコツコツ続けてきた読み聞かせのおかげか、4歳9か月の今はこれぐらい読めるようになりました。
娘たちに読み聞かせした絵本〈新生児期〉
たくさん絵本を読んだのですが、娘たちが特に好きだった絵本をピックアップしました。
ほっぷすてっぷかぶとむし
作:増田純子
出版社:福音館書店
視力の弱い赤ちゃんでも認識しやすい、黒くはっきりとした太い線で描かれています。かぶとむしが飛び去るときに、大げさに読みながら絵本も一緒に動かすととても嬉しそうな表情をしてくれていました。ひょっとしたら黒いかぶとむしくんを怖がる子もいるかもしれませんが…。
くりん くりん ごーごー
作:佐々木マキ
出版社:福音館書店
はっきりとした色使いで、動物×乗り物×動作の組み合わせなので、この1冊でたくさんのことを覚えることが出来ます。乗り物の出す音をおもしろく読んであげると喜びました。いろんな動物が『来て』『行ってしまって』でもさいごに『みんな戻って来る』。この『みんな戻って来る』のが安心するのか、とても嬉しそうでした。絵本をまねて『ママやってきた』『パパいってしまった。』など、1歳後半でコピーして言うようになりました。
だれかしら
作:多田ヒロシ
出版社:文化出版局
主人公の誕生日にいろんな動物がプレゼントをもって訪ねてくるお話です。動物がドアをノックする力の強弱でノックの音が変わったり、ドアの小窓から少しだけ覗く動物の姿を当てっこしたりと楽しい要素が詰まっています。お誕生日の概念は、特に兄弟姉妹がいない場合はやはりお誕生日を題材にした絵本が良いのではと思います。
『だれかしら』の表紙の裏と裏表紙の内側にはドアのイラストが並んでいたので、鉛筆で数字を記入して、絵本の本編に入る前にドアを指さしながら1,2,3…と数えました。ついでに数字も覚えちゃえ~といった具合です。
おわりに
いかがでしたでしょうか。絵本の読み聞かせは最初は苦痛に感じられる方もいるかもしれませんが、新生児のころから刷り込んでおいたおかげで娘たちは1歳の誕生日のころには『どうぞのいす』などの長めのお話も聞けるようになっていました。
もちろんそのころは全部内容がわかっているわけではないのですが、赤ちゃんのうちにママが絵本を読むと耳を傾けるという習慣が出来ました。最初にすこしだけ頑張ればあとが楽になるので、ぜひ新生児のうちから絵本の読み聞かせにチャレンジしてほしいと思います。最後まで要んでいただきありがとうございました。